髪を濡れたまま寝る前に知っておくべきこと:美容師が教える5つの驚きのデメリット

髪を濡れたまま寝る前に知っておくべきこと:美容師が教える5つの驚きのデメリット

髪を乾かす重要性とその方法

今日は「お風呂上がりの髪をそのままにして寝る」ことについて、しっかりとお話ししましょう。

まず、髪を濡れたままにして寝るという行為、実は髪にとっても頭皮にとってもあまり良くないんです。
理由はいくつかありますが、大きく分けて以下の3点が挙げられます。

キューティクル

1. 髪のダメージが増える

髪の毛は水分を含むと膨張します。この状態で寝ると、寝返りをうつ度に髪がこすれ合い、摩擦が生じます。
特に、濡れた状態の髪は乾燥している時よりもダメージを受けやすく、切れ毛や枝毛の原因になり得ます。
つまり、濡れたままの髪で寝ることは、髪を傷める行為と言えるのです。

2. 頭皮の健康を害する可能性がある

濡れた頭皮は、細菌やカビの繁殖しやすい環境を提供します。
これが原因で、頭皮のトラブルや不快な臭いの源になることも。
長期間にわたってこのような状態が続くと、フケやかゆみ、そして最悪の場合、頭皮炎などの炎症を引き起こすリスクが高まります。

3. 髪の質感が悪くなる

濡れた髪のまま時間が経過すると、髪が乾く際に不自然なウェーブやクセがつきやすくなります。
翌朝、スタイリングがしにくくなるだけでなく、見た目にも美しくない状態に。
これは、朝の忙しい時間においては特に困る問題ですよね。

では、忙しい中でも髪を乾かさなければならない理由は理解していただけたかと思いますが、具体的にどうすれば良いか。
実は、完璧に乾かす必要はありません。髪の根元や頭皮が乾いていれば、大きな問題は防げます。
ですから、最低限、根元と頭皮を乾かすことを心がけてください。
また、時間がない時は、ドライヤーの冷風を利用して、髪を軽く乾かすだけでも大きな違いを生み出します。

 

頭皮の臭いの原因と予防策

タオルドライ

髪の毛や頭皮が長時間濡れた状態、あるいは半乾きの状態でいると、頭皮の健康に悪影響を及ぼし、臭いの原因となる雑菌が繁殖しやすくなります。

頭皮は、体の他の部位と同様に、汗や皮脂を分泌します。これらの自然な分泌物は、普段は問題になりません。
しかし、髪が濡れていると、これらの分泌物が湿気と混ざり合い、細菌やカビの理想的な繁殖地となる可能性があります。
この細菌の増加が、不快な臭いを引き起こす主な原因です。

例えば、濡れた洗濯物が乾くまでに時間がかかると、不快な臭いがするのはそのためです。
洗濯物の場合と同様に、頭皮も濡れた状態が長引くほど、臭いのリスクが高まります。
さらに、頭皮の環境が悪化すると、かゆみやフケ、そして頭皮が荒れるといった症状を引き起こすことがあります。

このような問題を防ぐためにも、髪と頭皮は洗髪後にしっかりと乾かすことが重要です。
可能であれば、ドライヤーを使用して根元からしっかりと乾かし、自然乾燥を待つ場合でも、室内の換気を良くしておくことがおすすめです。
頭皮の健康を守り、快適な頭皮環境を保つために、日々のケアを怠らないようにしましょう。

 

濡れ髪が薄毛のリスクを高める理由

髪を濡れたままにしておくと、頭皮の温度が下がり、それが頭皮の血行を悪くする原因になります。
頭皮の血行が悪くなると、発毛に必要な栄養が毛根に十分に届かなくなり、結果として薄毛につながる可能性があります。

髪の成長には、アミノ酸やビタミン、ミネラルなど、多くの栄養素が必要です。
これらの栄養素は、血液を通じて頭皮に運ばれ、毛根で新しい髪の毛が生成されるために使われます。
しかし、頭皮の血行が悪いと、これらの栄養素が毛根に届きにくくなり、髪の毛の成長サイクルが乱れることになります。

この成長サイクルの乱れは、髪の毛が十分に成長しない、太くならない、新たに生えてこないという悪循環を生み出します。
長期的にこの状態が続くと、薄毛や抜け毛の問題が顕著になり得るのです。

そのため、髪を洗った後は、頭皮の温度を下げないように気をつけ、頭皮と髪をしっかり乾かすことが大切です。
これにより、頭皮の血行を良く保ち、髪の毛に必要な栄養が毛根までしっかりと運ばれるようにすることが、薄毛予防につながります。

 

髪と頭皮の乾燥:濡れたまま放置するリスク

キューティクル2

髪の毛や頭皮が乾燥する現象は、確かに意外に聞こえるかもしれませんが、この現象はとても重要な意味を持っています。
濡れた状態の髪や頭皮が自然乾燥すると、その過程で必要以上に水分が蒸発し、結果的に元よりも乾燥した状態になってしまうのです。
このメカニズムは、手荒れでよく例えられることがあります。

手が水仕事などで濡れた状態になった後、十分に保湿をせずに自然乾燥させると、手の皮膚の水分が過剰に失われてしまい、乾燥して荒れてしまうことがあります。
髪の毛や頭皮も同様で、濡れた状態が長引くと、本来保持しているべき水分までが失われてしまうのです。

乾燥機で乾かしたタオルと、外で長時間干したタオルの例えは、この現象を理解するのに非常に良い比喩です。
外で長時間干されたタオルは、乾燥機で乾かされたタオルよりもずっと乾燥してパリパリになりがちです。
これは、外で干すと、風や太陽の暖かさによって水分がより強く蒸発するためです。

髪の毛がこのように乾燥してしまうと、ヘアセットが難しくなるだけでなく、見た目にも美しくないと感じられることがあります。
乾燥した髪は、光沢が失われ、パサついて扱いにくくなります。
また、頭皮が乾燥すると、かゆみやフケの原因にもなりえます。

ですから、お風呂上がりには髪を適切に乾かし、必要に応じて保湿ケアを行うことが重要です。
このようにして、髪と頭皮の健康を守ることができます。

 

濡れた髪とカラー退色の関係

髪をカラーリングした後に濡れた状態で放置することは、実際にカラーの退色を早める原因になり得ます。
この現象の背後にあるメカニズムは、髪の毛の表面を覆っているキューティクルの働きと、その状態に大きく関連しています。

キューティクルは、髪の外側を保護する一枚一枚の透明な層のようなもので、髪の健康と輝きを保つ重要な役割を担っています。
髪が濡れると、これらのキューティクルが開いてしまい、通常よりも脆弱な状態になります。
キューティクルが開いた状態では、髪の内部に浸透しているカラー色素が外に流出しやすくなるため、カラーリングの退色が進みやすくなります。

この状況を、色の濃い衣類が他の衣類に色移りするプロセスに例えると理解しやすいかもしれません。
赤色や他の濃い色のティシャツが洗濯中に色素を放出し、他の衣類に色が移るのと同様に、髪の内部にあるカラー色素も、濡れている状態が長引くと徐々に流出してしまうのです。

特に、カラーリング後の髪は、カラーの美しさを保つためにも、正しいケアが必要です。
その一環として、お風呂上がりには髪をしっかりと乾かし、キューティクルを閉じることで、色素の流出を最小限に抑えることが大切です。
また、カラーリングを長持ちさせたい場合は、髪に優しい低温の風で乾かしたり、カラーリング専用のケア製品を使用することも効果的です。

 

濡れた髪で寝ると寝癖がつきやすくなる理由

濡れた髪で寝ることは、寝癖がつきやすくなる大きな原因の一つです。
これは、髪が濡れている状態で枕に触れると、乾燥する過程で枕の形状や圧力によって髪が固定され、その形が保持されてしまうためです。
この状態で髪が完全に乾くと、朝起きた時に強固な寝癖がついてしまい、髪型を整えるのが一苦労になります。

この現象は、洗いたてのシャツがしわしわになるメカニズムに似ています。
洗濯後にシャツをそのまま乾かすと、しわがそのまま固定されてしまいますが、乾かす前に手でしわを伸ばして整えることで、乾いた後のしわを最小限に抑えることができます。
同じように、髪も濡れた状態で寝ると、寝ている間の動きや枕との摩擦によって不自然な形に固定され、朝になってもその形が維持されてしまいます。

寝癖がついてしまうと、朝のスタイリングに余計な時間がかかるだけでなく、髪へのダメージも増えることになります。
ブラシやコームで無理に寝癖を直そうとすると、髪が絡まりやすくなり、抜け毛や切れ毛の原因にもなりかねません。
特に、髪が長い人や髪質がデリケートな人は、この問題により大きな影響を受けやすいです。

そのため、寝る前には必ず髪を乾かすことが重要です。
時間がない場合でも、根元や頭皮の部分だけでも乾かすようにしましょう。
また、寝癖を最小限に抑えるためには、シルクやサテンなどの滑らかな素材の枕カバーを使用することも一つの方法です。
これらの素材は髪との摩擦を減らし、寝癖がつきにくくなる効果が期待できます。

翌朝も髪を洗う予定があるとしても、他のデメリットを考慮すると、やはり寝る前に髪を乾かす習慣を身につけることがおすすめです。
ほんの少しの手間で、髪の健康を守り、快適な朝を迎えることができます。

 

まとめ

濡れた髪で寝るというのは、実はいくつもの意外なデメリットが潜んでいる行為なんですよ。
美容師としては、この習慣を見直してほしいなって強く感じています。

まず、髪や頭皮が乾燥してしまうこと。水分が長時間髪に残ると、不思議なことに、最終的には髪と頭皮が乾燥してしまうんです。
これは手荒れの原理に似ていて、必要な水分まで飛んでしまうから。
イメージとしては、外に長時間干したタオルがカラカラになるようなもの。
見た目にも触り心地にも、あまり良くない状態ですよね。

そして、頭皮の臭いの問題。
濡れた状態が続くと、頭皮に雑菌が繁殖しやすくなり、それが臭いの原因に。
まるで濡れた洗濯物が臭うのと同じ理由からです。
さらに、この状態が続くと頭皮の健康自体にも悪影響を及ぼしてしまいます。

また、薄毛のリスクも高まるんです。
濡れた状態の頭皮は冷えやすく、それが血行不良を招き、髪の成長に必要な栄養が十分に行き渡らなくなる可能性が。
髪は頭皮からの栄養で成長するので、この点はかなり重要です。

カラーリングしている方にとっても注意が必要で、濡れた髪はカラーの退色を早めます。
キューティクルが開いて色素が流出しやすくなるから。色の濃い洗濯物が色移りするのと同じ原理ですね。

最後に、寝癖の問題。
これは意外と厄介で、濡れた髪で寝ると、枕の形に合わせて髪が固まり、朝起きたときに思わぬスタイルになってしまうことも。
洗いたてのシャツを干す時にしわを伸ばすのと同じで、ちょっとした手間をかけるだけで、朝のスタイリングがぐんと楽になりますよ。

これらの話を聞くと、やっぱり寝る前に髪を乾かすことの重要性が見えてきますよね。
忙しくても、この一手間を加えることで、髪と頭皮の健康を守り、より良い毎日を送れるようになります。
ぜひ、今夜からでも試してみてくださいね。

 


本記事は、30年以上の豊富な経験を持つ美容師であり、全国にサロンを展開する経営者、高橋正和氏の監修のもと作成されました。
専門知識と実践経験に基づき、正確かつ実用的な情報を提供することを目指しています。

監修

高橋正和

高橋正和(美容師/サロン経営者)
30年以上の美容師歴を持ち、その技術と知識で多くの顧客を魅了しています。
全国に展開する美容サロンの経営者としても高く評価されています。
また、カットコンテストでの複数回の優勝や、ヘアーショーへの出演など美容業界に貢献しています。


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