おしゃれ染めと白髪染めの違い、リタッチの注意点、美容室と市販カラーの違い
おしゃれ染めと白髪染めの違いは何ですか?
今日はおしゃれ染めと白髪染めの違いについてわかりやすくご説明いたしますね。
まず、ヘアカラーには大きく分けて「グレイカラー(白髪染め)」と「ファッションカラー(おしゃれ染め)」の2種類があるんです。
それぞれ目的や特徴が異なるので、あなたの理想の髪色を実現するために知っておくと便利ですよ。
グレイカラー(白髪染め)
特徴とメリット:
- グレイカラーは主に白髪をしっかりカバーするためのヘアカラーで、白髪染めとも呼ばれます。
- 白髪をしっかり染めるための染料が多く含まれているので、白髪が目立たなくなり、均一で自然な色合いを楽しめます。
- 一般的には7トーン程度までの暗めのカラーが多いです。
- トーンというのは明るさの指標で、数字が低いほど暗く、数字が高いほど明るい色を表します。
- 白髪の量が多い方や、しっかりとしたカバー力を求める方におすすめです。
デメリット:
- 明るいトーンのカラーバリエーションが限られているので、あまり明るいカラーは難しいです。
- 明るいトーンを求める場合は、グレイカラーにファッションカラーを混ぜて染めることもできますが、あまり明るくすると白髪の染まりが浅くなり、浮いた感じになることもあります。
ファッションカラー(おしゃれ染め)
特徴とメリット:
- ファッションカラーは名前の通り、おしゃれを楽しむためのヘアカラーです。
- 明るさ(明度)や色の種類(色調)が豊富にそろっていて、色んなカラーリングを楽しめます。
- ピンク系、ブルー系、グリーン系などのカラフルな色もありますし、アッシュ系の落ち着いた色もあります。
- 明るさも、ダークトーンからハイトーンまで幅広いです。
- 白髪が少ない方や、おしゃれを楽しみたい方におすすめです。
デメリット:
- 基本的には白髪をカバーするための染料が少ないため、単品で使用すると白髪の染まりが十分でない場合があります。
- ただし、白髪染めにも使えるような薬剤や明るさのファッションカラーもありますので、工夫すれば白髪染めとしても使えることがあります。
お客様に合ったヘアカラー選び
お客様の髪の状態や希望する色合いに合わせて、最適なカラーをご提案します。
白髪をしっかりカバーしたい場合:
- グレイカラーで自然な色合いにするのが一番です。
- 明るいトーンを希望する場合は、グレイカラーとファッションカラーを組み合わせて調合することも可能です。
おしゃれを楽しみたい場合:
- ファッションカラーで多彩な色合いを楽しみましょう。
- もし白髪が少しある場合は、ファッションカラーとグレイカラーを混ぜて使うことで、白髪も目立たずおしゃれな髪色にできますよ。
ずっとリタッチ(根本)だけ染めてても良いのですか?
リタッチというのは、伸びてきた根元の部分だけを染めることで、既に染めてある髪の部分はそのままにしておく方法です。
新しく伸びた根元と他の部分との色の差を埋めるために行います。
リタッチにはいくつかのメリットと注意点がありますので、お話ししますね。
リタッチのメリット
1. ダメージの軽減:
- 髪全体を染める場合に比べて、染める範囲が狭いので髪へのダメージが少なくて済みます。
- 特に、カラーを頻繁に変えたりハイトーンカラーをしている方には、ダメージを抑えるためにもリタッチが最適です。
2. コストと時間の節約:
- 根元だけを染めるので、全体を染めるよりも時間が短くて済みますし、使用するカラー剤も少なくなるためコスト的にもお得です。
リタッチのデメリットと注意点
ただし、リタッチだけを繰り返していると、いくつかの問題も発生します。
1. 毛先の褪色(色落ち):
- リタッチだけだと、既に染めている毛先の色はそのままになりますよね。
- そのため、毛先部分が時間とともに褪色し、色が抜けてしまうことがあります。
- 特に夏場など紫外線が強い時期や、頻繁にヘアアイロンやドライヤーを使う方だと、色落ちが早くなることもあります。
2. 色ムラのリスク:
- 褪色が進むと、根元と毛先で色が異なる「ツートンカラー」になってしまったり、全体の髪色にムラが出てしまうことがあります。
- また、髪質やダメージ具合によっても染まり方が異なるため、リタッチだけでは全体的な色ムラの原因になることも。
おすすめのカラーリング方法
そこで、お客様には次のようなペースでのカラーリングをおすすめします。
1. リタッチを中心に:
- 基本的にはリタッチを中心に行うことで、髪へのダメージを最小限に抑えます。
2. 2~4回に1度は全体染めを:
- 2~4回に1度のペースで、髪全体を均一に染めることをおすすめします。
- これによって、毛先の褪色や色ムラを防ぐことができます。
3. カラーチェンジの場合:
- カラーチェンジをしたい場合や、全体の色を大幅に明るく・暗くしたい場合は、全体を染める必要があります。
4. トリートメントでケアを:
- また、染めた髪はダメージを受けやすいので、カラー用のトリートメントで定期的にケアすることも重要です。
美容室のカラーと市販のカラーの違いは?
美容室でのカラーと市販のカラーの違いについてご説明しますね。
それぞれの特徴とメリット・デメリットがあるので、ご自身のニーズに合った選択をするためにも、ぜひ参考にしてください。
美容室のカラー
特徴:
プロの技術:
- 美容師が髪質や頭皮の状態、希望の髪色に合わせて調合し、施術を行います。
- 適切なカウンセリングと技術で、最適な染め方や配合を選ぶことができます。
豊富なカラーバリエーション:
- 美容室では、サロン専用のカラー剤を使用します。
- 豊富な色調とトーンがそろっているため、細かいニュアンスの色を作り出すことが可能です。
ダメージケア:
- カラー剤の選定や塗布方法に注意を払い、髪へのダメージを最小限に抑える工夫がされています。
- トリートメントやオラプレックスなど、カラー後のダメージケアも同時に行います。
メリット:
- 髪質や希望の色に合わせてカスタマイズできる。
- プロの技術でムラなく綺麗に染まる。
- 施術後のダメージケアができる。
デメリット:
- 市販のカラーに比べて費用がかかる。
- 美容室に行く必要があるため、時間がかかる。
市販のカラー
特徴:
セルフカラーリング:
- 市販のヘアカラーは自宅で自分で簡単に染めることができます。
- パッケージに使用方法が書かれているので、それを参考に施術できます。
固定されたカラーバリエーション:
- 多くのカラーバリエーションが用意されていますが、既製品なので微調整ができません。
- 思い通りの色にならないこともあります。
簡単な塗布方法:
- ほとんどの市販カラーは、誰でも使いやすいように設計されています。
- クリームタイプや泡タイプなど、塗布しやすい形状が選べます。
メリット:
- 手軽で自宅で染められる。
- 美容室よりもコストが抑えられる。
デメリット:
- 髪質や状態に関係なく一律の配合であるため、思ったような色に染まらないことがある。
- 自分で塗るため、色ムラができやすい。
- 強い薬剤を使用している場合が多く、髪や頭皮へのダメージが大きいことも。
美容室カラーと市販カラーの比較
色の仕上がり:
- 美容室:希望通りの色に近づけやすく、ムラも少ない。
- 市販:色ムラが出やすく、希望の色と異なることがある。
髪や頭皮へのダメージ:
- 美容室:ダメージを抑える施術が可能。
- 市販:強めの薬剤が多く、ダメージが大きくなりがち。
コスト:
- 美容室:コストは高め。
- 市販:コストは抑えられる。
利便性:
- 美容室:美容室に行く必要があり、時間がかかる。
- 市販:自宅で好きなタイミングで染められる。
美容室のカラーと市販のカラー、それぞれの違いやメリット・デメリットを踏まえて、どちらが良いかお考えいただければと思います。
髪の健康を考えると、美容室でのカラーリングをおすすめしますが、どちらを選んでも髪を大切にするためのケアは欠かせません。
本記事は、30年以上の豊富な経験を持つ美容師であり、全国にサロンを展開する経営者、高橋正和氏の監修のもと作成されました。
専門知識と実践経験に基づき、正確かつ実用的な情報を提供することを目指しています。
監修 | |
高橋正和(美容師/サロン経営者) |
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