【美容師解説】シャンプーの泡立ちが変わる5つの理由&モコモコ泡を立てるコツ

【美容師解説】シャンプーの泡立ちが変わる5つの理由&モコモコ泡を立てるコツ

「シャンプーの泡立ちが悪い…」と感じること、ありませんか?
実はそれ、間違ったヘアケアが原因かもしれません。
シャンプーの泡立ちが悪いと、頭皮の汚れが十分に落とせなかったり、摩擦によって髪を傷つけてしまうことも。

このページでは、美容師である筆者が、シャンプーの泡立ちが悪くなる5つの原因と、今日から実践できるモコモコ泡を作るコツを分かりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたも明日から理想の泡立ちを手に入れ、正しいヘアケアで美しい髪へと導くことができるでしょう。

 

シャンプーの泡立ちが悪くなる理由1. 髪の汚れ

シャンプーの泡立ちが悪くなる原因としてまず挙げられるのが「髪の汚れ」です。
1日過ごした髪や頭皮には、皮脂や汗、ホコリ、スタイリング剤など、様々な汚れが付着しています。
これらの汚れがシャンプー剤の洗浄成分の働きを阻害してしまうため、泡立ちが悪くなってしまうのです。

 

どんな汚れが泡立ちを悪くするの?

泡立ちを悪くする汚れには、次のようなものがあります。

  • 皮脂:頭皮から分泌される油分。酸化すると過酸化脂質となり、さらにシャンプーの泡立ちを阻害します。
  • 汗:水分と塩分、ミネラルなどが含まれており、皮脂と混ざるとより落としにくくなります。
  • ホコリや花粉:空気中に漂っている微粒子。髪に付着しやすく、落としにくい汚れの一つです。
  • スタイリング剤:ワックスやスプレー、ヘアオイルなど、油分を多く含むものが多く、泡立ちを悪くする原因になります。整髪成分が洗浄成分を妨げるため、スタイリング剤を使った日は念入りに洗う必要があります。



汚れが多いとどうなるの?

髪の汚れをしっかり落とさずにシャンプーをすると、泡立ちが悪くなるだけでなく、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。

  • 頭皮の臭いの原因:頭皮に汚れが蓄積されると、雑菌が繁殖しやすくなり、臭いの原因となります。
  • かゆみの原因:汚れが頭皮を刺激し、かゆみや炎症を引き起こすことがあります。
  • 抜け毛の原因:毛穴に汚れが詰まることで、髪の毛の成長を阻害し、抜け毛が増える可能性があります。



汚れを落とすには?

シャンプーの泡立ちを良くし、頭皮や髪の健康を保つためには、日頃から汚れをしっかり落とすことが大切です。以下のポイントを意識してみましょう。

  • 予洗いをしっかりする:シャンプー前にぬるま湯でしっかりと髪と頭皮をすすぎ、汚れを落とします。予洗いで全体の7~8割の汚れを落とすイメージです。
  • 自分に合ったシャンプーを選ぶ:洗浄力の強いシャンプーは必要な皮脂まで奪ってしまう可能性があります。自分の頭皮や髪質に合ったシャンプーを選びましょう。
  • 正しくシャンプーをする:爪を立てずに指の腹を使って優しく頭皮を洗い、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流しましょう。

これらのことを意識することで、シャンプーの泡立ちが良くなるだけでなく、健康な頭皮と美しい髪を保つことができます。

 

シャンプーの水

シャンプーの泡立ちが悪くなる理由2. 水の量

シャンプーの泡立ちが悪いとき、「シャンプーの量を増やせばいい」と思っていませんか?
実は、シャンプーの泡立ちは、水の量と大きく関係しています。
水の量が少ないと、シャンプーが十分に溶けず、泡立ちが悪くなってしまうのです。



水の量が少ないとどうなる?

髪の毛や頭皮を十分に濡らさずにシャンプーをつけると、以下の様な問題が起こる可能性があります。

  • シャンプーが髪全体に行き渡らない
  • 頭皮の汚れが十分に落ちない
  • 摩擦によって髪が傷む原因になる
  • すすぎ残しを起こしやすくなる



適切な水の量は?

では、どのくらいの量の水を使えばいいのでしょうか?
理想は、シャワーのお湯を30秒~1分ほど浴び続けることです。
この程度しっかりと予洗いすることで、髪の毛の根元まで水を行き渡らせることができます。
また、お湯の温度はぬるめが良いでしょう。 熱すぎるお湯は、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があります。



水道水に含まれる金属イオンの影響

日本の水道水は軟水ですが、地域によってはミネラルを多く含む硬水の地域もあります。
硬水に含まれる金属イオンは、シャンプーの洗浄成分と結びついて泡立ちを阻害する原因になります。
硬水の影響が気になる場合は、浄水シャワーヘッドの利用を検討してみましょう。

 

シャンプーの泡

シャンプーの泡立ちが悪くなる理由3. シャンプーの量

シャンプーの量は、泡立ちに直結する要素の一つです。
シャンプーの量が少なすぎると泡立ちが悪くなるのはもちろん、実は多すぎる場合も泡立ちが悪くなることがあります。



シャンプーの量が少ない場合

シャンプーの量が少なすぎると、髪全体にシャンプーを行き渡らせることができず、泡立ちが悪くなってしまいます。
頭皮の汚れを落とすためにも、しっかりと泡立ててから洗うことが大切です。
少量ずつシャンプーを足していくと、泡立ちが良くなることがあります。



シャンプーの量が多い場合

シャンプーの量が多い場合は、一見泡立ちが良さそうに見えますが、すすぎに時間がかかってしまい、頭皮や髪にシャンプーが残留してしまう可能性があります。
シャンプーが残留すると、頭皮の炎症や髪のベタつきの原因になることも。
また、必要以上に洗浄力が強くなりすぎてしまい、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性も。
結果として、頭皮の乾燥やフケ、かゆみを引き起こす可能性も考えられます。シャンプーは適量を使うように心がけましょう。



適切なシャンプーの量

シャンプーの適切な量は、髪の長さや量、シャンプーの濃縮度によって異なりますが、一般的にはショートヘアで1プッシュ、ミディアムヘアで2プッシュ、ロングヘアで3プッシュ程度が目安です。
まずは、お使いのシャンプーの説明書を確認してみましょう。自分の髪質や頭皮の状態に合わせて、量を調整していくことが大切です。

シャンプーの量の調整ポイント

  • 初めて使うシャンプーは、少量から試してみる
  • 髪が長い、量が多い場合は、量を多めに調整する
  • 頭皮が脂っぽい場合は、朝晩2回シャンプーをするなど回数を調整する

シャンプーの量を調整することで、より効果的に頭皮と髪の汚れを落とすことができます。泡立ちが悪いと感じたら、シャンプーの量を見直してみましょう。

 

シャンプーの種類

シャンプーの泡立ちが悪くなる理由4. シャンプーの種類

シャンプーの泡立ちやすさは、シャンプーの洗浄成分や配合成分によって大きく変わることをご存知ですか?
シャンプーを選ぶ際には、配合成分をチェックすることが大切です。


洗浄成分による違い

シャンプーには様々な洗浄成分が含まれており、大きく分けると「高級アルコール系」「アミノ酸系」「石鹸系」の3つに分類されます。
それぞれの特徴と泡立ちやすさの関係を見ていきましょう。


高級アルコール系シャンプー

市販のシャンプーで最も多く使われているのが、この高級アルコール系シャンプーです。
ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naなどが代表的な成分です。
洗浄力が非常に高く、泡立ちが良いのが特徴ですが、洗浄力が強すぎるため、頭皮への刺激が強いという側面もあります。
そのため、敏感肌の方や乾燥肌の方は注意が必要です。


アミノ酸系シャンプー

アミノ酸系の洗浄成分を配合したシャンプーです。
ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNaなどが代表的な成分です。
洗浄力は高級アルコール系と比較するとマイルドですが、頭皮や髪への負担が少なく、保湿力が高いのが特徴です。
泡立ち自体は良いものが多いですが、高級アルコール系と比べるとやや劣ると感じる方もいるかもしれません。
しかし、頭皮や髪に優しい洗い心地を求める方におすすめです。


石鹸系シャンプー

石鹸をベースに作られたシャンプーです。
カリ石ケン素地などが代表的な成分です。洗浄力は3つの種類の中では最も弱く、泡立ちもあまり良くありません。
しかし、天然由来成分でできているため、頭皮や髪への負担が非常に少なく、環境にも優しいのが特徴です。
洗浄力が弱いため、スタイリング剤を多用する方や皮脂が多い方には不向きです。



その他、配合成分による違い

シャンプーには、洗浄成分以外にも様々な成分が配合されています。
これらの成分によっても泡立ちやすさが変わることがあります。

  • シリコン配合シャンプー:シリコンは、髪にツヤや滑らかさを与える効果がありますが、泡立ちを悪くする原因となることがあります。特に、シリコンが多く配合されているシャンプーは、泡立ちが悪くなりがちです。
  • オイル配合シャンプー:アルガンオイルやホホバオイルなどのオイル成分は、髪に潤いやツヤを与える効果がありますが、洗浄成分の働きを阻害し、泡立ちが悪くなることがあります。特に、オイルの配合量が多いシャンプーは、注意が必要です。

このように、シャンプーの種類によって泡立ちやすさは大きく異なります。自分の頭皮や髪の状態、求める洗い心地に合わせて、最適なシャンプーを選びましょう。

 

頭皮の状況

シャンプーの泡立ちが悪くなる理由5. 髪の毛や頭皮の状態

髪の毛や頭皮の状態も、シャンプーの泡立ちに影響を与える要因の一つです。
ここでは、具体的な状態と泡立ちが悪くなるメカニズムについて詳しく解説していきます。



髪のダメージ

カラーリングやパーマ、ヘアアイロンの使用などで傷んだ髪は、キューティクルが剥がれ、内部がスカスカの状態になっています。
このようなダメージヘアは、健康な髪に比べて表面が粗く、シャンプーの泡が立ちにくくなってしまいます。
これは、泡立ちに必要な界面活性剤が、ダメージ部分に過剰に吸着されてしまうためです。
また、髪の内部までダメージが進行している場合は、保水力が低下し、シャンプーを洗い流す際に泡が消えやすくなることも考えられます。


頭皮の皮脂の過剰分泌

頭皮の皮脂は、本来、頭皮を保護し、潤いを与えるために分泌されています。
しかし、ホルモンバランスの乱れや食生活の乱れ、ストレスなどによって皮脂が過剰に分泌されると、シャンプーの泡立ちが悪くなることがあります。
これは、過剰な皮脂がシャンプーの界面活性剤と結びつき、泡立ちを阻害してしまうためです。
また、皮脂汚れが毛穴に詰まっている場合も、シャンプーの洗浄力が十分に発揮されず、泡立ちが悪くなる原因となります。



頭皮の乾燥

乾燥した頭皮は、バリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなっています。
このような状態の頭皮では、シャンプーの洗浄成分が刺激となり、炎症を引き起こす可能性があります。
炎症が起こると、頭皮はさらに乾燥しやすくなり、シャンプーの泡立ちが悪化する悪循環に陥ることも考えられます。
また、乾燥した頭皮は、皮脂の分泌量も減少するため、シャンプーが泡立ちにくくなることがあります。

 

美容師が教える!モコモコ泡を立てるコツ

コツ1. 予洗いをしっかりする

コツ2. ぬるま湯を使う

コツ3. シャンプーを泡立てる場所を変える

コツ4. シャンプーブラシを使う

 

まとめ

シャンプーの泡立ちが悪い時には、髪の汚れや水の量、シャンプーの種類など、様々な原因が考えられます。
本記事では、美容師の視点から5つの泡立ちが悪くなる理由と、モコモコ泡を作るコツをご紹介しました。

毎日のシャンプーをより効果的にするためにも、まずはご自身の髪の状態やシャンプー方法を見直してみましょう。
予洗いを入念に行い、適切な量の水とシャンプーを使うことで、泡立ちが劇的に変わる可能性があります。
シャンプーブラシなどのアイテムを活用するのもおすすめです。
ぜひ、本記事を参考にして、理想の泡立ちを実現してください。

 

 


本記事は、30年以上の豊富な経験を持つ美容師であり、全国にサロンを展開する経営者、高橋正和氏の監修のもと作成されました。
専門知識と実践経験に基づき、正確かつ実用的な情報を提供することを目指しています。

監修

高橋正和

高橋正和(美容師/サロン経営者)
30年以上の美容師歴を持ち、その技術と知識で多くの顧客を魅了しています。
全国に展開する美容サロンの経営者としても高く評価されています。
また、カットコンテストでの複数回の優勝や、ヘアーショーへの出演など美容業界に貢献しています。


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