【美容師監修】ヘアケアのQ&A!よくある悩みとその解決策を徹底解説
「髪の毛の悩みを解決したいけど、何から始めればいいか分からない…」そんな悩みをお持ちのあなたへ。
この記事では、美容師が監修した正しいヘアケアの知識から、よくある髪の悩みとその解決策までを徹底解説します。
枝毛、切れ毛、くせ毛、うねり、抜け毛、薄毛、頭皮の乾燥やかゆみ、フケ、髪のベタつきなど、あらゆる悩みに対して、その原因と具体的な解決策を分かりやすく紹介します。
さらに、シャンプーやトリートメントなどのヘアケアアイテムの選び方や、季節に合わせたケア方法、美容室でのケアについても詳しく解説。
この記事を読めば、あなたの髪もきっと本来の美しさを取り戻せるはずです。毎日のヘアケアを見直し、理想の髪を目指しましょう!
髪の毛の基礎知識
髪の構造
髪は、大きく分けて「毛幹」と「毛根」の2つの部分から成り立っています。
毛幹
毛幹は、私たちが普段目にする髪の毛の部分です。皮膚の外に出ている部分であり、主に以下の3層構造でできています。
- キューティクル:髪の毛の一番外側を覆う透明な層。ウロコ状に重なっており、内部の毛皮質を保護しています。キューティクルが傷つくと、髪のツヤや滑らかさが失われ、枝毛や切れ毛の原因となります。
- 毛皮質(コルテックス):髪の毛の大部分を占める層。タンパク質を多く含み、髪の強度や弾力性を決める重要な部分です。メラニン色素を含んでおり、髪の色もここで決まります。
- 毛髄質(メデュラ):髪の毛の中心部にある空洞部分。髪の毛の太さによって存在しない場合もあります。毛髄質の役割は完全には解明されていませんが、髪の保温性に関わっていると考えられています。
毛根
毛根は、皮膚の下に埋まっている部分です。毛包と呼ばれる袋状の組織に包まれており、毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで髪の毛が成長します。
毛根の下部には「毛球」と呼ばれる膨らみがあり、毛乳頭と毛母細胞が存在します。
毛乳頭は毛細血管から栄養を受け取り、毛母細胞に送り届ける役割を担っています。
毛母細胞は、その栄養をもとに細胞分裂を繰り返し、髪の毛を成長させます。
また、毛根には皮脂腺が隣接しており、皮脂を分泌することで頭皮や髪の毛を保護しています。
ヘアサイクル
髪の毛は、「成長期」→「退行期」→「休止期」というサイクルを繰り返しながら成長しています。
これをヘアサイクルと呼びます。
成長期
毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返して髪の毛が成長する時期です。
個人差はありますが、2~6年ほど続きます。この時期の髪の毛は、太くしっかりとしています。
退行期
毛母細胞の活動が徐々に衰え、髪の毛の成長が止まる時期です。約2~3週間続きます。
この時期になると、髪の毛は細く弱くなり始めます。
休止期
毛母細胞の活動が完全に停止し、髪の毛が抜け落ちる時期です。約3~4ヶ月間続きます。
休止期を終えると、再び成長期に入り、新しい髪の毛が生えてきます。
髪の毛は、全て同じタイミングでヘアサイクルを繰り返しているわけではありません。
そのため、健康な状態であれば、毎日一定量の髪の毛が抜け落ちても問題ありません。
ただし、ヘアサイクルが乱れると、抜け毛が増えたり、髪の毛が細くなったりすることがあります。
ヘアケアの基本
シャンプーの選び方
シャンプー選びは、その後のヘアケアの効果を左右するほど重要です。
自分の髪質や悩みに合ったシャンプーを選ぶようにしましょう。例えば、
- 乾燥が気になる方は、アミノ酸系やオイル配合のシャンプー
- ダメージヘアには、補修成分配合のシャンプー
- 頭皮のベタつきが気になる方は、洗浄力が高めのシャンプー
など、様々な種類があります。市販のシャンプーには、洗浄力の強い高級アルコール系や、洗浄力がマイルドなアミノ酸系などがあります。
アミノ酸系シャンプーは、頭皮への負担が少なく、髪にも優しいとされています。
一方、高級アルコール系シャンプーは、洗浄力が高いため、皮脂の分泌が多い方や、整髪料をしっかり落としたい方に向いています。
最近では、アミノ酸系と高級アルコール系を組み合わせたシャンプーも販売されているので、自分の髪質や好みに合わせて選びましょう。
シャンプーの成分表示の見方
シャンプーの裏側には、配合されている成分が記載されています。
成分表示は、配合量の多い順に記載されています。
そのため、最初に記載されている成分が、そのシャンプーの主成分となります。主な洗浄成分としては、以下のものがあります。
- ラウレス硫酸Na:洗浄力が強く、泡立ちが良い
- ラウリル硫酸Na:洗浄力が非常に強く、脱脂力も高い
- ココイルグルタミン酸Na:アミノ酸系の洗浄成分で、低刺激
これらの成分表示を参考に、自分の頭皮や髪に合ったシャンプーを選びましょう。
正しいシャンプー方法
どんなに良いシャンプーを使っていても、正しい方法で洗えていなければ効果は半減してしまいます。
正しいシャンプー方法をマスターして、健康な髪を保ちましょう。
シャンプー前の準備
- ブラッシング:シャンプー前にブラッシングをすることで、髪の毛のもつれやホコリを取り除き、シャンプーの泡立ちを良くします。毛先から優しくブラッシングし、頭皮全体を丁寧にブラッシングしましょう。
- 予洗い:ぬるま湯で髪と頭皮をしっかりとすすぎます。予洗いをしっかり行うことで、シャンプーの泡立ちが良くなり、汚れが落ちやすくなります。また、お湯の温度は38度くらいがおすすめです。熱すぎるお湯は、頭皮の乾燥や髪のダメージに繋がります。
シャンプーの仕方
- シャンプーを手に取る:シャンプーを適量手に取り、両手で泡立てます。泡立てることで、髪への摩擦を防ぎ、頭皮を優しく洗浄することができます。
- 頭皮を洗う:指の腹を使って、頭皮を優しくマッサージするように洗います。爪を立ててしまうと、頭皮を傷つけてしまう可能性があるので注意が必要です。頭皮全体を丁寧に洗いましょう。
- 髪を洗う:頭皮を洗い終わったら、泡を毛先まで伸ばして優しく洗います。ゴシゴシと強くこすり合わせるのは避けましょう。
- すすぎ:シャンプーが残らないように、ぬるま湯でしっかりとすすぎます。すすぎ残しがあると、頭皮のトラブルや髪のベタつきの原因になります。
トリートメントの使い方
トリートメントは、シャンプーで失われた髪の油分や水分を補い、ダメージを補修してくれる役割があります。
正しい使い方で、トリートメントの効果を最大限に引き出し、美しい髪を目指しましょう。
トリートメントの種類
トリートメントには、主に以下の3つの種類があります。
- コンディショナー:主に髪の表面をコーティングし、指通りを良くする効果があります。毎日のシャンプー後に使用します。
- ヘアマスク:コンディショナーよりも補修効果が高く、髪の内部まで浸透してダメージを補修します。週に1~2回のスペシャルケアとして使用します。
- 洗い流さないトリートメント:タオルドライ後やスタイリング前に使用し、髪の乾燥やダメージを防ぎます。ミルクタイプ、オイルタイプ、クリームタイプなど、様々な種類があります。
トリートメントの方法
- 水気を切る:シャンプー後、髪の水気をしっかりと切ります。水気があると、トリートメントが薄まってしまい、効果が半減してしまいます。
- トリートメントを塗布する:トリートメントを適量手に取り、毛先を中心になじませます。頭皮にトリートメントをつけると、毛穴詰まりの原因になることがあるので注意しましょう。
- 時間を置く:トリートメントの種類によって、置く時間は異なります。商品の説明書きをよく読んでから使用しましょう。
- すすぎ:ぬるま湯でトリートメントをしっかりとすすぎます。すすぎ残しがあると、頭皮のトラブルや髪のベタつきの原因になります。
ドライヤーのかけ方
ドライヤーは、ただ髪を乾かすだけでなく、髪の毛内部の水分を飛ばし、キューティクルを引き締める効果もあります。
正しく使うことで、ツヤのあるまとまりの良い髪に仕上がります。
逆に、間違った使い方をしてしまうと、髪のダメージに繋がる可能性もあるため注意が必要です。
ドライヤー前の準備
- タオルドライ:髪の毛の水分をタオルで優しく吸い取ります。ゴシゴシと強くこするのは、キューティクルを傷つけてしまうため避けましょう。
- 洗い流さないトリートメント:タオルドライ後、洗い流さないトリートメントを毛先を中心になじませます。ドライヤーの熱から髪を守り、パサつきを抑える効果があります。
ドライヤーのかけ方
- 根元から乾かす:髪の根元から乾かすことで、乾きが早くなります。ドライヤーを頭皮に近づけすぎると、頭皮の乾燥や髪のダメージに繋がるため、10cmほど離して風を当てましょう。
- 毛流れに沿って乾かす:キューティクルを整えるために、毛流れに沿って風を当てます。上から下に向かって風を当てることで、キューティクルが整い、ツヤのある髪に仕上がります。
- 冷風を当てる:最後に冷風を当てることで、キューティクルが引き締まり、ツヤ感がアップします。また、頭皮の熱を冷ます効果もあります。
よくある髪の悩みと解決策
枝毛・切れ毛
原因
枝毛や切れ毛は、主に髪の毛の摩擦やダメージによって引き起こされます。
毎日のブラッシングやヘアゴム、タオルドライなどによる摩擦や、ヘアアイロンやコテなどの熱によるダメージが蓄積することで、髪の毛の表面にあるキューティクルが剥がれ、内部のタンパク質が流出してしまいます。
その結果、毛先が枝分かれしたり、途中で切れたりしてしまうのです。
その他にも、紫外線によるダメージやパーマやカラーリングなどの化学処理、栄養不足、睡眠不足、ストレスなども原因として挙げられます。
解決策
枝毛や切れ毛を根本的に解決するには、すでに傷んでしまった部分をカットすることが大切です。
その上で、日々のヘアケアで摩擦やダメージを軽減していくことが重要になります。
具体的なケア方法
- ブラッシングは、毛先が絡まっている場合は無理に引っ張らず、毛先から優しく解きほぐすように行う。
- ヘアゴムは、摩擦が少ないシルク素材やゴム製のものを選ぶ。
- タオルドライは、ゴシゴシ擦らずに、タオルで挟んで優しく押さえるように水気を取る。
- ヘアアイロンやコテを使用する際は、必ずヘアオイルやミルクなどの洗い流さないトリートメントで保護し、180度以下の低温設定で行う。
- 紫外線が強い日には、帽子を被ったり、日傘を差したりして、髪の毛を紫外線から守る。
- パーマやカラーリングは、頻度を抑えたり、ダメージの少ない施術方法を選んだりする。
- バランスの取れた食事を心がけ、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養を十分に摂取する。
- 十分な睡眠を取り、ストレスを溜めないようにする。
- トリートメントを効果的に使用することも重要です。シャンプー後、水気を軽く切ってから、毛先を中心にトリートメントを馴染ませ、数分置いた後、しっかりと洗い流しましょう。週に1~2回は、より保湿効果の高いヘアマスクを使用するのもおすすめです。
くせ毛・うねり
原因
くせ毛や髪のうねりの原因は、主に遺伝によるものと後天的なものの2つに分けられます。
- 遺伝によるくせ毛は、生まれつき毛穴の形が歪んでいるため、髪の毛がねじれて生えてくることが原因です。
- 後天的なくせ毛は、生活習慣の乱れや間違ったヘアケア、ホルモンバランスの乱れ、加齢などが原因で、髪の毛の水分量やタンパク質のバランスが崩れることで起こります。
解決策
くせ毛や髪のうねりを改善するには、日々のヘアケアで髪の毛に潤いを与え、扱いやすくすることが大切です。
具体的なケア方法
- シャンプーは、洗浄力が強すぎず、アミノ酸系やベタイン系など、頭皮と髪に優しいものを選ぶ。
- トリートメントやヘアマスクで、髪の毛に十分な潤いを与える。
- ドライヤーで乾かす際は、上から下に向かって風を当て、キューティクルを整える。
- ヘアアイロンやストレートパーマで、一時的にくせ毛を伸ばす。
- 生活習慣を見直し、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がける。
くせ毛の種類や程度によっては、美容室での縮毛矯正も有効な手段です。
抜け毛・薄毛
原因
抜け毛や薄毛の原因は、男性ホルモン、遺伝、加齢、生活習慣、頭皮環境の悪化、ストレスなど、様々な要因が考えられます。
- 男性ホルモンの影響で抜け毛が起こる男性型脱毛症(AGA)は、男性に多く見られる薄毛の原因です。
- 遺伝も薄毛に大きく影響し、両親からの遺伝的要因が薄毛のリスクを高める可能性があります。
- 加齢に伴い、毛髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛が増加する傾向があります。
- 不規則な生活習慣や食生活の乱れ、睡眠不足、ストレスなども抜け毛や薄毛の原因となります。
- 頭皮の汚れや皮脂の過剰分泌、乾燥などの頭皮環境の悪化も、抜け毛を促進する要因となります。
解決策
抜け毛や薄毛の対策としては、生活習慣の改善、頭皮環境の改善、専門的な治療などがあります。
具体的な対策方法
- バランスの取れた食事を摂り、毛髪の成長に必要な栄養素を補給する。
- 十分な睡眠をとり、ストレスを解消する。
- 禁煙、節酒を心がける。
- 頭皮を清潔に保ち、適切なシャンプーを選ぶ。
- 頭皮マッサージを行い、血行を促進する。
- 育毛剤を使用する。
- 医療機関を受診し、専門的な治療を受ける。(例:AGA治療など)
抜け毛や薄毛が気になる場合は、自己判断せずに、早めに専門医に相談することをおすすめします。
頭皮の乾燥・かゆみ
原因
頭皮の乾燥やかゆみは、頭皮のバリア機能の低下によって引き起こされます。健康な頭皮は、皮脂膜で覆われて外部からの刺激や乾燥から守られていますが、様々な要因によってバリア機能が低下すると、頭皮は乾燥しやすくなり、かゆみを感じやすくなります。
頭皮の乾燥やかゆみの主な原因
- 洗浄力の強いシャンプーの使用による皮脂の過剰な除去
- カラーリングやパーマなどの化学処理による頭皮への刺激
- 紫外線による頭皮の乾燥
- 空気の乾燥
- ストレスや睡眠不足
- 食生活の乱れ
- ホルモンバランスの乱れ
- 頭皮の病気(脂漏性皮膚炎、乾癬など)
解決策
頭皮の乾燥やかゆみを改善するには、頭皮のバリア機能を高め、保湿することが重要です。
具体的なケア方法
- 洗浄力が穏やかで、アミノ酸系やベタイン系など、頭皮と髪に優しいシャンプーを選ぶ。
- 熱いお湯で洗いすぎず、ぬるま湯で優しく洗う。
- トリートメントは頭皮につけず、毛先を中心に付ける。
- ドライヤーは、冷風を当てて頭皮をしっかりと乾かす。
- 頭皮用の保湿剤や美容液を使用する。
- バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、生活習慣を整える。
- ストレスを溜めないようにする。
頭皮のかゆみがあまりにもひどい場合や、症状が改善しない場合は、皮膚科を受診して相談しましょう。
フケ
原因
フケは、頭皮の角質が剥がれ落ちたものです。通常、頭皮の角質は一定のサイクルで生まれ変わり、剥がれ落ちますが、ターンオーバーが乱れると、フケが多くなることがあります。
フケには、乾燥が原因で発生する「乾性フケ」と、皮脂の過剰分泌が原因で発生する「脂性フケ」の2種類があります。
乾性フケの原因
- 洗浄力の強いシャンプーの使用による頭皮の乾燥
- カラーリングやパーマなどの化学処理による頭皮への刺激
- 空気の乾燥
- 紫外線による頭皮のダメージ
- ストレスや睡眠不足
- 食生活の乱れ
脂性フケの原因
- 皮脂の過剰分泌
- 頭皮のマラセチア菌の異常増殖
- ホルモンバランスの乱れ
- 食生活の乱れ
- ストレス
解決策
フケを改善するには、原因に合わせた対策をすることが重要です。
乾性フケの解決策
- 頭皮に優しいアミノ酸系やベタイン系のシャンプーを使用する
- 熱いお湯での洗髪を避け、ぬるま湯で優しく洗う
- トリートメントは頭皮につけずに、毛先を中心に付ける
- 頭皮の保湿を心がける
脂性フケの解決策
- 抗真菌作用のあるシャンプーを使用する(例:ケトコナゾール、ミコナゾールなどを配合したシャンプー)
- 皮脂分泌を抑える成分配合のシャンプーを使用する(例:ピロクトンオラミン、サリチル酸などを配合したシャンプー)
- 頭皮を清潔に保つ
- 食生活を見直し、脂っこい食事を控える
フケが気になる場合は、自己判断せずに、皮膚科医に相談することをおすすめします。
髪のベタつき
原因
髪のベタつきは、主に頭皮から分泌される皮脂が原因です。皮脂は、頭皮や髪の毛を保護する役割を果たしていますが、過剰に分泌されると、髪の毛にベタつきやテカリを与え、不快な印象を与えてしまいます。
髪のベタつきの主な原因
- 遺伝
- 男性ホルモンの影響
- 食生活の乱れ(脂っこい食事、甘いものの食べ過ぎなど)
- 睡眠不足
- ストレス
- ホルモンバランスの乱れ
- 洗浄力の弱いシャンプーの使用
- シャンプーやコンディショナーの洗い残し
- 頭皮の乾燥
頭皮が乾燥すると、それを補おうとして皮脂が過剰に分泌されることがあります。
解決策
髪のベタつきを改善するには、皮脂の分泌量をコントロールし、頭皮と髪を清潔に保つことが大切です。
具体的なケア方法
- 洗浄力の高いシャンプーで、頭皮をしっかりと洗う。ただし、洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまうため、注意が必要です。自分の頭皮に合ったシャンプーを選びましょう。
- シャンプー剤が残らないように、しっかりとすすぐ。
- トリートメントやコンディショナーは、頭皮につけず、毛先を中心に付ける。
- 食生活を見直し、脂っこい食事や甘いものを控える。
- バランスの取れた食事を心がける。
- 十分な睡眠をとる。
- ストレスを解消する。
これらの方法を試しても改善が見られない場合は、ホルモンバランスの乱れが考えられますので、医療機関を受診することをおすすめします。
ヘアカラーの悩み
色落ち
原因
ヘアカラーの色落ちには、カラー剤の種類や髪質、ヘアケアの方法など、様々な要因が関係しています。
- 一般的に、暖色系の色は寒色系の色に比べて色落ちしやすく、明るい色ほど暗い色に比べて色落ちしやすいと言われています。
- また、ダメージヘアは、キューティクルが剥がれやすく、染料が定着しにくいため、色落ちしやすくなります。
- さらに、毎日のシャンプーやトリートメント、紫外線、熱なども、ヘアカラーの色落ちを促進させる要因となります。
解決策
ヘアカラーの色落ちを防ぐためには、日々のヘアケアで注意すべき点がいくつかあります。
- カラーリングした後は、数日間はシャンプーを控えるようにしましょう。カラー剤が髪に定着するまで時間を置くことで、色落ちを防ぐことができます。
- カラーリングした髪に適した、「カラーケアシャンプー」や「カラーキープシャンプー」などと呼ばれる、色落ちを防ぐ効果が期待できるシャンプーを使用するのも効果的です。これらのシャンプーには、髪の表面をコーティングして色素の流出を防いだり、髪の内部に色素を閉じ込めたりする効果があります。
- また、紫外線はヘアカラーの色落ちを促進させるため、日中は帽子を被ったり、日傘を差したりして、髪の毛を紫外線から保護するようにしましょう。
- さらに、ヘアアイロンやドライヤーなどの熱器具を使用する際は、必ずヘアオイルやミルクなどの洗い流さないトリートメントで髪を保護し、180度以下の低温設定で行うようにしましょう。熱は髪の毛にダメージを与え、色落ちの原因となるため、注意が必要です。
ダメージ
原因
ヘアカラーによる髪のダメージは、カラー剤に含まれるアルカリ剤や過酸化水素水によって引き起こされます。
これらの成分は、キューティクルを開き、髪の内部の色素を分解することで、髪を染める役割を果たします。
しかし、同時に髪の毛のタンパク質や水分を奪い、キューティクルを傷つけてしまうため、髪の毛がパサついたり、枝毛や切れ毛が増えたりするなどのダメージが現れます。
解決策
ヘアカラーによるダメージを最小限に抑えるためには、カラーリング前のケアとカラーリング後のケアが重要です。
- カラーリング前は、頭皮や髪の毛の汚れをしっかりと落とし、清潔な状態にしておくことが大切です。また、トリートメントなどで髪の毛に潤いを与えておくことも効果的です。
- カラーリング後は、カラーリングした髪に適したシャンプーやトリートメントを使用し、髪の毛に十分な栄養と潤いを与えることが大切です。カラーリング後の髪は、デリケートな状態になっているため、洗浄力の強いシャンプーは避け、アミノ酸系や
ヘアケアアイテムの選び方
シャンプー
市販のシャンプー
ドラッグストアなどで手軽に購入できる市販のシャンプーは、価格が手頃なものが多いのが特徴です。
洗浄力が強いものが多く、頭皮の汚れをしっかり落としたい人に向いています。
しかし、洗浄力が強すぎるため、頭皮が乾燥しやすかったり、カラーやパーマが落ちやすかったりする可能性もあります。
自分の髪質や頭皮の状態に合わせて選ぶことが大切です。例えば、敏感肌の人は、アミノ酸系など洗浄力の優しい成分配合のものを選ぶと良いでしょう。
サロン専売シャンプー
美容院で購入できるサロン専売シャンプーは、市販のものよりも高価ですが、髪や頭皮に優しい成分が配合されているものが多く、ダメージヘアの人や頭皮のトラブルを抱えている人におすすめです。
また、香りや仕上がりの良さも魅力です。美容師さんに自分の髪質や悩みに合ったシャンプーを選んでもらうと良いでしょう。
美容院で購入すると、サンプルをもらえたり、使い方を詳しく教えてもらえたりするメリットもあります。
トリートメント
コンディショナー
シャンプーの後に使用するコンディショナーは、髪の表面をコーティングし、指通りを良くする効果があります。
内部補修効果はあまり期待できません。毎日使用することで、静電気や摩擦から髪を守り、枝毛や切れ毛を予防します。
髪質やダメージレベルに合わせて選ぶことが重要です。
軽い仕上がりを好む人は、サラサラとしたテクスチャーのものを、しっとりとした仕上がりが好みの人は、クリームタイプのものを選ぶと良いでしょう。
ヘアマスク
週に1~2回程度使用するヘアマスクは、コンディショナーよりも高い保湿効果があり、髪の内部まで浸透してダメージを補修します。
乾燥が気になる人や、ダメージヘアが気になる人におすすめです。
シャンプー後、軽く水気を切ってから、毛先を中心に塗布し、数分置いた後、よく洗い流します。洗い流さないタイプのヘアマスクもあります。
アウトバストリートメント
洗い流さないトリートメント
タオルドライ後、または乾いた髪に使用する洗い流さないトリートメントは、髪の保湿や保護、スタイリングの補助など、様々な効果があります。
ミルクタイプ、クリームタイプ、オイルタイプなど、様々な種類があります。
髪質や仕上がりの好みに合わせて選びましょう。
ドライヤーの熱や紫外線から髪を守り、枝毛や切れ毛を予防する効果も期待できます。
ヘアオイル
洗い流さないトリートメントの一種であるヘアオイルは、植物性のオイルなどが配合されており、髪のツヤやまとまりをアップさせる効果があります。
乾燥から髪を守り、パサつきを抑え、しっとりとした質感に仕上げます。軽めのテクスチャーのものから、重めのテクスチャーのものまで、様々な種類があります。
髪質や仕上がりの好みに合わせて選びましょう。ヘアオイルは、スタイリングの仕上げに使うと、ツヤ感とまとまりをプラスすることができます。
スタイリング剤
ワックス
髪に動きや束感を与えるワックスは、ヘアスタイルのキープにも役立ちます。
クリームタイプ、ファイバータイプ、ジェルタイプなど、様々な種類があります。髪質やヘアスタイルに合わせて選びましょう。
ショートヘアからロングヘアまで、幅広いヘアスタイルに活用できます。
使用量が多いと、ベタつきの原因になるので、少量ずつ手に取ってから、髪になじませるようにしましょう。
スプレー
ヘアスタイルを長時間キープしたい時に使用するスプレーは、ヘアスプレー、ヘアミストなど、様々な種類があります。
キープ力の強さや仕上がりの質感によって選びましょう。固めたい部分にピンポイントでスプレーしたり、全体にふんわりとスプレーしたり、使い方によって仕上がりが異なります。
スプレーをする前に、ブラッシングをして、髪のもつれをほどいておくと、ムラなくスプレーすることができます。
季節に合わせたヘアケア
春
春の訪れとともに、私たちの気分も高揚するように、髪も新たなステージを迎えます。
冬の寒さから解放され、温かな日差しを浴びる春は、髪の成長が活発になる季節です。
しかし、一方で、花粉や黄砂、強い紫外線など、髪にダメージを与える要因も増える時期でもあります。
そこで、春のヘアケアでは、髪の成長を促すとともに、外部刺激から髪を守ることに重点を置きましょう。
春のヘアケアポイント
- 花粉や黄砂をしっかりと洗い流す
- 紫外線対策をする
- 頭皮の保湿ケアを心がける
春は、シャンプー前にブラッシングをして髪のもつれを優しくほぐし、ぬるま湯で予洗いすることで、花粉や黄砂を落としやすくします。
シャンプーは、頭皮を清潔に保つアミノ酸系シャンプーがおすすめです。
また、外出時には、帽子をかぶったり、UVカット効果のあるヘアオイルやスプレーを使用するなどして、紫外線から髪を守りましょう。
さらに、乾燥しやすい春は、頭皮の保湿ケアも大切です。頭皮用美容液やヘアオイルなどで、頭皮に潤いを与えましょう。
夏
強い日差しと高い湿度が特徴の夏は、髪にとって過酷な季節です。
紫外線によるダメージや、汗や皮脂によるベタつき、頭皮の臭いなど、さまざまなトラブルが発生しやすくなります。
夏のヘアケアでは、これらのトラブルから髪を守り、健やかな状態を保つことが重要です。
夏のヘアケアポイント
- 紫外線対策を徹底する
- 頭皮を清潔に保つ
- 髪の保湿ケアも忘れずに
夏は、帽子や日傘などで頭皮を紫外線から守りましょう。
また、汗をかいたらこまめに拭き取り、頭皮を清潔に保つことが大切です。
シャンプーは、洗浄力の高いタイプを選び、朝晩2回洗髪するのも効果的です。
さらに、エアコンによる乾燥や、紫外線によるダメージで、髪は水分を失いがちです。トリートメントやヘアオイルなどで、しっかりと保湿ケアを行いましょう。
秋
過ごしやすい気候の秋ですが、夏に受けたダメージが出やすい季節でもあります。
紫外線や海水、プールの塩素などで傷んだ髪は、パサつきや枝毛、切れ毛などが目立ちやすくなります。
秋のヘアケアでは、夏のダメージをケアし、乾燥から髪を守ることに重点を置きましょう。
秋のヘアケアポイント
- 夏のダメージを補修する
- 乾燥から髪を守る
- 頭皮のケアも忘れずに
秋は、ダメージケア効果の高いシャンプーやトリートメントを使用し、集中的にヘアケアを行いましょう。
ヘアパックやヘアオイルなども効果的です。
また、乾燥が気になる場合は、加湿器を使用したり、室内で洗濯物を干すなどして、部屋の湿度を保つように心がけましょう。
頭皮も乾燥しやすくなるため、頭皮用美容液などで保湿ケアを行うのもおすすめです。
冬
寒くて乾燥した冬は、髪にとって最も過酷な季節と言えるでしょう。
空気が乾燥しているため、髪から水分が奪われやすく、パサつきや静電気が発生しやすくなります。
また、頭皮も乾燥しやすく、フケやかゆみなどのトラブルも起きやすくなります。
冬のヘアケアでは、乾燥から髪と頭皮を守り、潤いを保つことを最優先に考えましょう。
冬のヘアケアポイント
- 保湿ケアを徹底する
- 静電気対策をする
- 頭皮の乾燥を防ぐ
冬は、シャンプー後、必ずトリートメントを使用し、さらにヘアオイルやヘアミルクなどで、髪に油分を補給しましょう。
椿油やアルガンオイルなどの天然オイルもおすすめです。
また、静電気が気になる場合は、静電気防止効果のあるヘアブラシを使用したり、ヘアオイルやヘアクリームなどを髪になじませてからブラッシングすると効果的です。
頭皮の乾燥を防ぐためには、加湿器を使用したり、頭皮用美容液で保湿ケアを行いましょう。
シャンプーは、低刺激のアミノ系シャンプーを選び、ぬるま湯で洗髪することが大切です。
美容室でのケア
サロンでのトリートメント
美容室で行うサロンでのトリートメントは、市販のトリートメントよりも高濃度の補修成分や栄養分が配合されているため、髪のダメージを集中的にケアすることができます。
美容師が髪の状態を見極め、最適なトリートメントを選んでくれるのもメリットです。
カラーやパーマと組み合わせることで、施術によるダメージを抑えながら、より美しい髪色やスタイルを実現することも可能です。
サロンでのトリートメントの種類
- 内部補修トリートメント
- 外部コーティングトリートメント
- 頭皮ケアトリートメント
これらのトリートメントは、単独で使用されるだけでなく、組み合わせて施術されることも多くあります。
例えば、内部補修トリートメントで髪の内部に栄養を補給した後、外部コーティングトリートメントでキューティクルを保護することで、より効果が長持ちします。
自分の髪質や悩みに合わせて、最適なトリートメントを選びましょう。
サロンでのトリートメントの効果と頻度
サロンでのトリートメントの効果は、個人差がありますが、約1ヶ月程度持続します。
効果を持続させるためには、ホームケアと組み合わせることが大切です。
美容師に自宅でのケア方法を相談し、アドバイスを受けるようにしましょう。
サロンでのトリートメントを受ける頻度は、月に1回程度が目安です。
ただし、髪のダメージが気になる場合は、2週間に1回程度施術を受けるのも良いでしょう。
ヘッドスパ
ヘッドスパは、頭皮のクレンジングやマッサージを行うことで、頭皮環境を整え、健康な髪を育むことを目的とした施術です。
頭皮の汚れを落とすだけでなく、血行促進効果やリフトアップ効果、リラックス効果なども期待できます。
頭皮の乾燥やかゆみ、フケ、抜け毛などの悩みの改善にも効果が期待できます。
ヘッドスパの種類
- オイルヘッドスパ
- クリームヘッドスパ
- 炭酸ヘッドスパ
- ドライヘッドスパ
これらのヘッドスパは、それぞれ使用されるアイテムや施術方法が異なります。
自分に合ったヘッドスパを選ぶことが大切です。
例えば、頭皮の乾燥が気になる場合は、保湿効果の高いオイルヘッドスパがおすすめです。
頭皮のベタつきが気になる場合は、皮脂を吸着する効果のある炭酸ヘッドスパがおすすめです。
ヘッドスパの効果と頻度
ヘッドスパの効果は、個人差がありますが、1週間程度持続します。
効果を持続させるためには、定期的にヘッドスパを受けることが大切です。
ヘッドスパを受ける頻度は、2週間に1回程度が目安です。ただし、頭皮の状態に合わせて、頻度を調整することもできます。
美容室でのケアは、自宅でのケアでは得られない効果が期待できます。
髪の悩みや状態に合わせて、サロンでのトリートメントやヘッドスパを効果的に取り入れてみましょう。
まとめ
今回は、よくある髪の悩みと解決策について、美容師の視点から解説しました。
毎日のヘアケアを正しく行うことが、美しい髪を保つために重要です。
自分の髪質や悩みに合ったシャンプーやトリートメントを選び、正しい方法でケアを行いましょう。
市販のヘアケアアイテムで効果が感じられない場合は、美容室で相談してみるのもおすすめです。
この記事を参考にして、ぜひあなたの髪も健やかに美しく保ってください。
本記事は、30年以上の豊富な経験を持つ美容師であり、全国にサロンを展開する経営者、高橋正和氏の監修のもと作成されました。
専門知識と実践経験に基づき、正確かつ実用的な情報を提供することを目指しています。
監修 | |
高橋正和(美容師/サロン経営者) |
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