【美容師監修】ブリーチは髪にどれくらいダメージを与える?リスクと対策を解説
「ブリーチって髪が傷むって聞くけど、実際どれくらいダメージがあるの?」と不安に思っていませんか?
現役美容師監修のもと、ブリーチによる髪へのダメージレベルや具体的なリスクを解説。
ダメージの原因や仕組みを理解した上で、正しい知識と対策を身につけることで、ブリーチによるダメージを最小限に抑えられます。
この記事を読めば、ブリーチで失敗することなく、憧れのヘアカラーを手に入れるための準備と対策が分かります。
ブリーチによる髪へのダメージとは?
ブリーチとは、髪の毛の色素を抜いて明るくする施術のことです。
金髪やハイトーンカラーなど、明るい髪色を楽しむためには欠かせない技術ですが、一方で髪へのダメージが大きいという側面も持ち合わせています。
ここでは、ブリーチによって髪がどのようなダメージを受けるのか、その仕組みやリスクについて詳しく解説していきます。
ブリーチで髪が傷む仕組み
私たちの髪の色は、メラニン色素によって決まります。
メラニン色素には、黒髪や茶髪のもとになる「ユーメラニン」と、赤毛や金髪のもとになる「フェオメラニン」の2種類が存在します。
ブリーチ剤には、このメラニン色素を分解する作用を持つ成分が含まれており、髪に塗布することで脱色効果を発揮します。
しかし、メラニン色素を分解する過程で、髪の内部構造を支えているタンパク質である「ケラチン」も同時に壊してしまいます。これが、ブリーチによって髪が傷む大きな原因です。
ブリーチ剤には、脱色力の強さによっていくつかの種類があります。
一般的に、脱色力が強いほど髪への負担も大きくなります。
また、ブリーチ剤を塗布したまま放置する時間も、ダメージレベルに影響を与えます。
放置時間が長くなるほど脱色効果は高まりますが、同時に髪への負担も増大します。
ブリーチによるダメージレベル
ブリーチによる髪のダメージレベルは、ブリーチ剤の強さ、放置時間、髪の状態によって異なります。
ダメージレベルを段階的に分けると、以下のようになります。
レベル1:軽度のダメージ
- ブリーチ1回程度
- キューティクルが少し剥がれ始める
- 髪のパサつき、ゴワつきを感じる程度
レベル2:中程度のダメージ
- ブリーチ2~3回程度
- キューティクルが剥がれ、内部のコルテックスが露出する
- 枝毛、切れ毛が目立ち始める
- 髪が乾燥しやすく、まとまりにくくなる
レベル3:重度のダメージ
- ブリーチ4回以上
- コルテックスが大きく損傷する
- 髪がゴムのように伸びる、切れる
- 抜け毛、切れ毛がひどくなる
レベル3の状態になると、自然回復が難しく、専門的なケアが必要になります。
最悪の場合、髪が断毛してしまうこともあります。
ブリーチによる具体的な髪へのリスク
ブリーチは、希望のヘアカラーを実現するために効果的な技術ですが、その一方で髪への負担が大きいことも事実です。
ここでは、ブリーチによって引き起こされる可能性のある具体的なリスクについて詳しく解説していきます。
枝毛・切れ毛
ブリーチによって髪の毛のタンパク質が分解されると、髪の強度や弾力が失われ、枝毛や切れ毛枝毛や切れ毛が起こりやすくなります。
枝毛は、髪の毛の先端が二つ以上に分かれてしまう状態を指し、切れ毛は、髪の毛が途中で切れてしまう状態を指します。
これらのダメージは、髪の毛が乾燥しやすくなる、絡まりやすくなる、ツヤがなくなるなどの問題を引き起こします。
また、枝毛や切れ毛を放置すると、ダメージ部分がさらに進行し、健康な部分まで影響が及ぶ可能性もあります。
パサつき・ゴワつき
健康な髪は、キューティクルと呼ばれる層で覆われており、このキューティクルが、髪の毛の水分を保ち、ツヤを与えています。
しかし、ブリーチはこのキューティクルを傷つけ、髪の毛の水分を奪ってしまうため、パサつきやゴワつきの原因髪の毛の水分を奪ってしまうため、パサつきやゴワつきの原因となります。
髪の毛のパサつきやゴワつきは、見た目の印象を大きく左右するだけでなく、スタイリングのしづらさにも繋がります。
抜け毛・薄毛
ブリーチを繰り返すと、頭皮への負担も大きくなり、頭皮環境が悪化頭皮環境が悪化することがあります。
頭皮環境が悪化すると、毛根が弱り、抜け毛が増えたり、薄毛のリスクが高まったりする可能性があります。
また、頭皮が乾燥しやすくなることで、フケやかゆみなどの頭皮トラブルを引き起こすこともあります。
頭皮への刺激
ブリーチ剤には、強い薬剤が含まれているため、頭皮に刺激頭皮に刺激を感じることがあります。
特に、頭皮が敏感な方やアレルギー体質の方は、かぶれ、赤み、かゆみ、湿疹などの症状が出る可能性があります。
また、ブリーチ剤が目に入ると、炎症を起こす可能性がありますので、注意が必要です。
ヘアカラーの色落ち
ブリーチは、髪の毛の色素を抜くことで明るい髪色を実現しますが、その一方で、ヘアカラーの色落ちが早くなるヘアカラーの色落ちが早くなるというデメリットもあります。
これは、ブリーチによってキューティクルが傷つき、染料が流れ出しやすくなるためです。
せっかく染めたヘアカラーも、すぐに色落ちしてしまうと、モチベーションの低下にも繋がります。
ブリーチのダメージリスクを抑える対策
ブリーチによる髪へのダメージを最小限に抑え、理想のヘアスタイルを手に入れるためには、いくつかの重要な対策を講じることが大切です。
事前にしっかりと準備しておくことで、ブリーチによるリスクを軽減し、より美しい髪色を楽しむことができます。
信頼できる美容院・美容師を選ぶ
ブリーチの施術は、美容師の技術力によって仕上がりに大きな差が出ます。
経験豊富な美容師は、髪の状態を見極め、適切な薬剤や施術方法を選択してくれるため、ダメージを抑えながら希望の髪色を実現することができます。
インターネットで口コミなどを参考にしたり、実際にサロンに足を運んでカウンセリングを受けてみたりして、信頼できる美容院・美容師を選びましょう。
適切なブリーチ剤を選ぶ
ブリーチ剤には、様々な種類や強さがあります。
髪の状態や希望の明るさに合わせて、適切なブリーチ剤を選ぶことが重要です。
ダメージを最小限に抑えたい場合は、低刺激で髪に優しいタイプのブリーチ剤を選ぶと良いでしょう。
美容師に相談しながら、自分に合ったブリーチ剤を見つけることが大切です。
トリートメントでケアする
ブリーチをする前後に、しっかりとトリートメントを行うことで、髪のダメージを補修し、健康な状態を保つことができます。
特に、ブリーチ後は、髪の水分や栄養が失われやすくなっているため、集中的なケアが必要です。
サロンでのトリートメントはもちろんのこと、自宅でも毎日トリートメントを使用することで、より効果的に髪のダメージをケアすることができます。
ブリーチ前
- 髪の内部に栄養を補給するタイプのトリートメントを使用することで、ブリーチ剤によるダメージから髪を守ることができます。
ブリーチ後
- タンパク質やCMCなどの毛髪補修成分が配合されたトリートメントを使用することで、ブリーチによって失われた髪の成分を補い、ダメージを修復することができます。特に、ハイドロキノンやケラチンなどの成分が配合されたトリートメントは、ブリーチ後の髪におすすめです。
ブリーチ後のヘアケア方法
ブリーチをした後は、髪が非常にデリケートな状態になっているため、普段のヘアケアにも注意が必要です。
正しいヘアケアを行うことで、髪のダメージを最小限に抑え、美しい髪色を長持ちさせることができます。
シャンプー
- 洗浄力の強いシャンプーは、頭皮や髪の乾燥を招き、ダメージを悪化させる可能性があります。アミノ酸系やベタイン系など、洗浄力が優しく保湿効果の高いシャンプーを選びましょう。また、熱いお湯は髪のキューティクルを傷つけ、パサつきの原因となるため、ぬるま湯で洗うようにしましょう。
トリートメント
- ブリーチ後の髪は、水分や栄養が失われやすくなっているため、毎日のトリートメントが欠かせません。毛髪補修成分が配合されたトリートメントを使用することで、髪のダメージを補修し、健康な状態を保つことができます。トリートメントは、毛先を中心に髪全体になじませ、数分置いてから洗い流すとより効果的です。
スタイリング剤
- ブリーチ後の髪は、乾燥しやすく、紫外線などの外的刺激を受けやすくなっています。洗い流さないトリートメントやヘアオイルなどを使い、髪に潤を与え、保護しましょう。また、スタイリング剤を選ぶ際には、アルコール配合量が少ないものを選ぶようにしましょう。アルコールは髪の水分を奪い、乾燥を悪化させる可能性があります。
ヘアアイロンの使用
- ヘアアイロンやコテなどの熱器具の使用は、髪のダメージを悪化させる可能性があります。ブリーチ後の髪は特に熱に弱くなっているため、使用頻度を控えるか、低温設定で使用しましょう。また、使用する前に必ずヘアオイルやヒートプロテクトスプレーなどで髪を保護しましょう。
生活習慣の見直し
健康な髪を保つためには、ヘアケアだけでなく、生活習慣の見直しも重要です。
バランスの取れた食生活、十分な睡眠、紫外線対策など、日々の生活の中でできることから始めてみましょう。
食生活
- 髪の毛の主成分はタンパク質です。肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質を積極的に摂取しましょう。また、ビタミンやミネラルも髪の健康に欠かせません。野菜や果物をバランス良く食べるように心がけましょう。
睡眠
- 睡眠中は、髪の成長を促す成長ホルモンが分泌されます。十分な睡眠をとることで、健康な髪を育むことができます。質の高い睡眠を心がけ、毎日7~8時間の睡眠を確保しましょう。
紫外線対策
- 紫外線は、髪のタンパク質を破壊し、パサつきや枝毛の原因となります。日傘や帽子などで紫外線をカットしましょう。また、日焼け止め効果のあるヘアオイルやスプレーなども効果的です。外出時は、こまめな紫外線対策を心がけましょう。
ブリーチで失敗しないために
ブリーチは、理想のヘアカラーを実現するための有効な手段ですが、その反面、髪への負担が大きく、場合によっては失敗してしまうリスクも伴います。
ブリーチで失敗しないためには、事前の準備と心構えが重要です。
希望の髪色とブリーチの回数
ブリーチの回数は、目指す髪色によって異なります。
明るい髪色ほど、ブリーチの回数が必要になります。
しかし、ブリーチの回数を重ねるほど、髪へのダメージも大きくなるため、美容師とよく相談し、自分の髪質に合ったブリーチ回数を決めましょう。
- 1回のブリーチ:ほんのりトーンアップしたい場合や、すでに明るい髪色の人がさらに明るくしたい場合に。
- 2~3回のブリーチ:ハイトーンカラーや、アッシュ系、ミルクティー系など、透明感のあるカラーにしたい場合に。
ただし、ブリーチは髪への負担が大きいため、短期間に何度も繰り返すことは避けましょう。
ブリーチをする間隔は、2~3ヶ月程度は空けることが推奨されています。
ブリーチによるムラと対策
ブリーチで失敗する原因の一つに、「ムラ」があります。ムラになる原因と対策を理解しておきましょう。
ブリーチでムラになる原因
- 塗布量のムラ:ブリーチ剤を塗布する際、量にムラがあると、部分的に明るくなってしまったり、逆に暗くなってしまったりする。
- 放置時間のムラ:ブリーチ剤を塗布した後、放置時間にムラがあると、同様にムラが生じる。
- 髪のダメージレベルの差:すでにカラーやパーマなどでダメージを受けている部分と、そうでない部分では、ブリーチ剤の反応が異なり、ムラになることがある。
ブリーチのムラを防ぐ対策
- 美容師に依頼する:ブリーチは、均一に塗布し、適切な時間管理を行う必要があるため、美容師に依頼するのが安心です。
- セルフでやる場合は、ブロッキングを丁寧に行う:もしセルフでブリーチをする場合は、髪の毛をブロッキングして、少しずつ丁寧に塗布していくことが重要です。
- 放置時間はタイマーで正確に測る:放置時間はタイマーを使って正確に測りましょう。
カウンセリングの重要性
ブリーチで失敗しないためには、カウンセリングが非常に重要です。
美容師に、自分の希望する髪色、髪の状態(ダメージレベル、過去の施術履歴など)、ライフスタイルなどを伝え、しっかりと相談しましょう。
美容師は、これらの情報を元に、最適なブリーチ方法や、使用する薬剤、施術回数などを提案してくれます。
また、カウンセリングでは、施術後のイメージを具体的に共有することが大切です。
写真やヘアカタログなどを活用しながら、美容師とイメージをすり合わせていきましょう。
さらに、不安な点や疑問点は、遠慮なく質問しましょう。
例えば、
- 自分の髪質で、希望の髪色にできるのか
- ブリーチによるダメージはどの程度になるのか
- ホームケアの方法
などを具体的に質問することで、安心して施術を受けることができます。
まとめ
ここまで、ブリーチによる髪へのダメージについて解説してきました。
ブリーチは、おしゃれなヘアカラーを楽しむためには欠かせない技術ですが、髪への負担が大きい点は理解しておく必要があります。
しかし、信頼できる美容院や美容師を選び、適切なケアを行うことで、リスクを最小限に抑えながら、理想の髪色に近づけることができます。
ブリーチを検討する際は、この記事を参考にして、事前にしっかりと準備を行いましょう。
本記事は、30年以上の豊富な経験を持つ美容師であり、全国にサロンを展開する経営者、高橋正和氏の監修のもと作成されました。
専門知識と実践経験に基づき、正確かつ実用的な情報を提供することを目指しています。
監修 | |
高橋正和(美容師/サロン経営者) |
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