シャンプーを2度する理由とは?美容師が教えるメリット・デメリットと正しいやり方
「シャンプー、1回で済ませていませんか?」実は、シャンプーを2度することで得られるメリットはたくさんあります。
美容師がシャンプーを2度すすめる理由を、1度目と2度目の目的の違いを明確にしながら解説します。
2度洗いすることで、頭皮の汚れをしっかり落とし、健康な髪を育てるための土台作りができます。
さらに、スタイリング剤やカラー、パーマの持ちも良くなるなど、様々なメリットがある一方、頭皮の乾燥といったデメリットも存在します。
この記事では、メリット・デメリットを踏まえ、2度洗いの正しいやり方、使用するシャンプーの選び方、そして2度洗いが必要ないケースまで網羅的に解説。あなたに最適なシャンプー方法を見つけるための、決定版ガイドです。
シャンプーを2度する意味
シャンプーを2度するという行為は、実は多くの美容師が推奨するヘアケアの基本です。ただなんとなく2度洗っている、という方もいるかもしれませんが、1度目と2度目では目的が異なり、それぞれ重要な役割を担っています。正しい方法で行うことで、頭皮環境の改善や髪の健康維持に繋がります。この章では、それぞれのシャンプーの目的や効果的な洗浄方法について詳しく解説していきます。
1度目と2度目のシャンプーの違い
シャンプーを2度行う際に重要なのは、1度目と2度目でそれぞれ目的が異なることを理解することです。1度目は主に頭皮と髪の表面に付着した汚れを落とし、2度目は頭皮環境を整え、より深く洗浄することを目的としています。この2段階の洗浄プロセスによって、健康な頭皮と美しい髪を育む土台を作ることができるのです。
1度目のシャンプーの目的
1度目のシャンプーの主な目的は、皮脂や汗、ホコリ、スタイリング剤などの汚れを落とすことです。特に、ワックスやスプレーなどの整髪料は油分を多く含んでいるため、1度目のシャンプーである程度落としておくことで、2度目のシャンプーの効果を高めることができます。また、1度目のシャンプーである程度の汚れを落とすことで、2度目のシャンプーの泡立ちが良くなり、より効果的に頭皮を洗浄できるというメリットもあります。この段階では、まだ頭皮の毛穴に詰まった汚れまでは落としきれていない状態です。
2度目のシャンプーの目的
2度目のシャンプーの目的は、1度目のシャンプーで落としきれなかった毛穴の奥の汚れや皮脂をしっかりと落とすことです。1度目で髪と頭皮の表面の汚れを落としておくことで、2度目のシャンプーではよりきめ細かい泡が立ち、毛穴の奥まで届きやすくなります。頭皮環境を清潔に保つことで、フケやかゆみ、臭いを予防し、健康な髪を育てるための土台を作ることができます。 また、ヘアカラーやパーマの持ちを良くする効果も期待できます。2度目のシャンプーは、頭皮のマッサージを意識しながら行うことで、血行促進効果も期待できます。指の腹を使って優しく丁寧に洗うように心がけましょう。
シャンプーを2度するメリット
シャンプーを2度行うことで得られるメリットは、想像以上にたくさんあります。頭皮の汚れを徹底的に落とすだけでなく、頭皮環境の改善やヘアスタイルのキープ力向上など、様々な効果が期待できます。まさに、健康で美しい髪を育むための秘訣と言えるでしょう。
頭皮の汚れをしっかり落とせる
1回目のシャンプーでは落としきれなかった皮脂やスタイリング剤、ホコリ、花粉などの汚れを2回目のシャンプーでしっかりと落とすことができます。頭皮の毛穴に詰まった汚れは、フケやかゆみ、炎症の原因となるため、2度洗いすることで清潔な頭皮環境を保ち、健やかな髪を育てる土台を作ることができます。特に、ワックスやスプレーなどの整髪料を多用する方や、皮脂分泌が多い方は、2度洗いが効果的です。
頭皮環境を整え、健康な髪を育てる
頭皮の汚れを落とすことで、毛穴の詰まりが解消され、頭皮の呼吸がスムーズになります。酸素が毛根まで届きやすくなることで、健康な髪の成長を促進し、抜け毛や薄毛の予防にも繋がります。また、頭皮の血行促進効果も期待できるため、栄養が毛根まで行き渡り、より強く美しい髪を育てることができます。さらに、清潔な頭皮は、頭皮のターンオーバーを正常化し、健やかな頭皮環境を維持するのに役立ちます。
スタイリング剤をきれいに落とせる
ジェルやワックス、スプレーなどのスタイリング剤は、1回のシャンプーでは落としきれない場合があります。スタイリング剤の残留は、頭皮の毛穴を詰まらせ、炎症やニキビの原因となることがあります。2度洗いすることで、スタイリング剤をしっかりと落とし、頭皮トラブルを予防することができます。特に、ハードタイプのスタイリング剤を使用する方は、2度洗いを意識することで、より効果的にスタイリング剤を除去できます。
ヘアカラーやパーマの持ちが良くなる
ヘアカラーやパーマの前に頭皮や髪に汚れが残っていると、薬剤が均一に浸透せず、ムラになったり、持ちが悪くなったりする原因となります。2度洗いすることで、頭皮と髪を清潔な状態にすることで、カラー剤やパーマ液が均一に浸透しやすくなり、色持ちやカールの持続性を高める効果が期待できます。また、カラーやパーマ後の残留アルカリを除去するのにも効果的であり、髪へのダメージを軽減し、美しい仕上がりを長持ちさせることに繋がります。
シャンプーを2度するデメリット
シャンプーを2度することはメリットも多いですが、場合によってはデメリットとなることもあります。頭皮や髪の状態、ライフスタイルに合わせて、2度洗いするかどうかを判断しましょう。
頭皮や髪の乾燥
シャンプーを2度すると、頭皮や髪の必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があります。特に洗浄力の強いシャンプーを2度使用すると、頭皮の乾燥を招き、フケやかゆみ、炎症の原因になることも。乾燥しやすい髪質の方や、冬場など空気の乾燥する季節は、2度洗いによってパサつきや枝毛、切れ毛が悪化する可能性も高いです。乾燥が気になる場合は、2度目のシャンプーの量を減らす、もしくは1度洗いにするなど、調整するようにしましょう。また、低刺激のアミノ酸系シャンプーや、保湿成分配合のシャンプーを選ぶのもおすすめです。
必要な皮脂まで落としすぎる可能性
頭皮は皮脂を分泌することで、外部刺激から肌を守り、保湿しています。シャンプーのしすぎでこの皮脂が過剰に除去されると、頭皮のバリア機能が低下し、乾燥だけでなく、炎症や過剰な皮脂分泌につながる可能性も。皮脂が不足すると、それを補おうとして頭皮がより多くの皮脂を分泌するようになり、結果的にオイリー肌になってしまうという悪循環に陥ることも。自分の頭皮の状態をきちんと見極め、適切な頻度でシャンプーをすることが大切です。洗髪後に頭皮がつっぱる感じがする場合は、洗いすぎのサインかもしれません。
時間とコストがかかる
当然のことながら、シャンプーを2度行うと、1度洗いに比べて時間もコストも2倍かかります。忙しい朝などは、2度洗いをする時間がないという方もいるでしょう。また、シャンプーの量も2倍使うことになるため、シャンプーの消費量が増え、経済的な負担も大きくなります。コスト面を考慮すると、毎日2度洗いするのではなく、頭皮の汚れが特に気になる時やスタイリング剤をしっかり落としたい時などに限定する方法も有効です。例えば、普段は1度洗いで、週末だけ2度洗いする、といった工夫もおすすめです。
カラーやパーマの退色を早める可能性
ヘアカラーやパーマをした髪は、薬剤の影響でダメージを受けやすく、乾燥しやすくなっているため、洗浄力の強いシャンプーで2度洗いすると、せっかく入れたカラーやパーマが早く落ちてしまう可能性があります。カラーやパーマを長持ちさせたい場合は、カラーケア用、パーマケア用のシャンプーを使用する、もしくは2度目のシャンプーは頭皮をメインに洗い、毛先は泡で軽く流す程度にするなどの工夫をしましょう。サロンで施術してもらった場合は、美容師に適切なシャンプー方法を相談してみるのも良いでしょう。
シャンプーを2度する正しいやり方
シャンプーを2度することで、頭皮環境を改善し、美しい髪を育む効果が期待できます。しかし、間違った方法で行うと、かえって頭皮や髪にダメージを与えてしまう可能性も。ここでは、2度洗いの正しいステップを詳しく解説します。
1度目のシャンプー
1度目のシャンプーは、主に頭皮の表面についた汚れやホコリ、スタイリング剤などを落とすための予備洗いです。ゴシゴシと強くこすらず、優しく丁寧に洗いましょう。
予洗い
シャンプーをつける前に、38~40度程度のぬるま湯で1~2分かけてしっかりと髪と頭皮をすすぎます。これだけで、汚れの約8割が落ちると言われています。予洗いをしっかり行うことで、シャンプーの泡立ちが格段に良くなり、洗浄効果を高めます。 また、熱いお湯は頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまうため、温度に注意しましょう。
シャンプー剤の量
1度目のシャンプーでは、使用量は少なめで十分です。ショートヘアで1プッシュ、ロングヘアで2プッシュ程度が目安です。頭皮の状態や髪の汚れ具合に合わせて調整しましょう。
頭皮を中心に洗う
指の腹を使って、頭皮全体をマッサージするように優しく洗います。爪を立ててしまうと頭皮を傷つける原因となるため注意が必要です。髪の毛先は泡で軽く撫でる程度で十分です。頭皮を重点的に洗うことで、毛穴に詰まった皮脂や汚れを効果的に落とすことができます。
2度目のシャンプー
2度目のシャンプーは、1度目で落としきれなかった毛穴の奥の汚れや皮脂をしっかりと落とすためのステップです。1度目よりも丁寧に、時間をかけて行いましょう。
シャンプー剤の量
2度目のシャンプーでは、1度目よりも少ない量で十分です。ショートヘアで半プッシュ、ロングヘアで1プッシュ程度が目安です。少量でも十分に泡立ち、頭皮と髪を優しく洗浄できます。
泡立ちと指の動かし方
シャンプーをしっかりと泡立て、きめ細かい泡で頭皮を包み込むように洗います。指の腹を使って、小さな円を描くように優しくマッサージしながら、頭皮全体を丁寧に洗います。頭皮の血行促進効果も期待できます。 生え際や耳の後ろなど、洗い残しやすい部分も丁寧に洗いましょう。
すすぎ
シャンプー剤が残らないように、ぬるま湯で丁寧にすすぎます。すすぎ残しは頭皮トラブルの原因となるため、時間をかけてしっかりとすすぎましょう。特に、生え際や襟足はすすぎ残ししやすいので注意が必要です。 指で頭皮を触ってみて、ヌルヌル感がなくなればOKです。
シャンプーを2度する必要がない場合
シャンプーを2度することは、頭皮や髪の状態によっては必ずしも必要ではありません。むしろ、2度洗いによって頭皮や髪に必要な油分まで奪い、乾燥やダメージを招いてしまうケースもあります。以下の場合は、シャンプーを1度にすることを検討してみましょう。
頭皮や髪が乾燥している場合
もともと頭皮や髪が乾燥しやすい人は、2度洗いによってさらに乾燥を悪化させる可能性があります。頭皮の乾燥は、フケやかゆみ、炎症の原因にもなります。乾燥が気になる場合は、シャンプーを1度にし、低刺激の保湿成分配合のシャンプーを選びましょう。洗いすぎを防ぎ、頭皮と髪のうるおいを守ることが大切です。
整髪料を使用していない場合
ワックスやスプレーなどの整髪料を普段使用していない場合は、1度のシャンプーで十分汚れを落とせることが多いです。スタイリング剤の油分や皮膜がないため、2度洗いは不要と言えるでしょう。朝シャンなどで、寝ている間についた皮脂や汗などの軽い汚れのみを落としたい場合も、1度のシャンプーで十分です。
ベビーシャンプーを使用している場合
ベビーシャンプーは洗浄力がマイルドに作られているため、2度洗いの必要性は低いです。赤ちゃんのデリケートな頭皮や髪にも優しく、1度で十分な洗浄力を発揮します。大人でも、敏感肌で刺激の少ないシャンプーを求めている人は、ベビーシャンプーを1度洗いで使用することを検討しても良いでしょう。ただし、洗浄力がマイルドな分、スタイリング剤をしっかり落とすのは難しい場合もあります。
湯シャンを実践している場合
湯シャンとは、お湯のみで髪を洗う方法です。シャンプー剤を使わないため、2度洗いの概念自体がありません。湯シャンは、頭皮の皮脂分泌を正常化し、健康な髪を育てる効果が期待できます。ただし、整髪料を使用している場合は、湯シャンだけでは落としきれないため、注意が必要です。湯シャンを始める際は、徐々にシャンプーの使用頻度を減らしていくなど、頭皮の状態を見ながら慎重に進めていきましょう。
ノーシャンプーを実践している場合
ノーシャンプーとは、シャンプー剤を全く使用しない洗髪方法です。湯シャンと同様に、2度洗いの必要はありません。頭皮の皮脂を落としすぎず、自然な状態を保つことで、健康な髪を育てることを目的としています。ただし、ノーシャンプーは誰にでも合うとは限らず、頭皮環境によってはベタつきやかゆみなどのトラブルが生じる可能性もあります。始める場合は、自分の頭皮の状態をよく観察し、慎重に判断することが重要です。また、整髪料を使用している場合は、落としきれない可能性が高いため、注意が必要です。
どんなシャンプーを使うべき?
シャンプーを2度するかどうかだけでなく、使用するシャンプーの種類も重要です。自分の頭皮の状態に合ったシャンプーを選ぶことで、頭皮トラブルを防ぎ、健康な髪を育てることができます。頭皮の状態に合わせて、適切なシャンプーを選びましょう。
頭皮の状態に合わせたシャンプー選び
頭皮の状態は人それぞれです。乾燥肌、オイリー肌、敏感肌など、自分の頭皮タイプに合ったシャンプーを選ぶことが重要です。間違ったシャンプー選びは、頭皮トラブルの原因となる可能性があります。
乾燥頭皮向け
乾燥頭皮の人は、保湿成分が配合されたアミノ酸系シャンプーを選ぶのがおすすめです。アミノ酸系シャンプーは洗浄力がマイルドで、頭皮に必要な皮脂を落としすぎずに優しく洗い上げます。また、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が配合されたシャンプーを選ぶことで、頭皮の乾燥を防ぎ、うるおいを保つことができます。
オイリー頭皮向け
オイリー頭皮の人は、皮脂をしっかり落とす洗浄力の高いシャンプーを選びがちですが、洗浄力が強すぎると頭皮に必要な皮脂まで落としてしまい、かえって皮脂分泌を促進させてしまう可能性があります。そのため、適度な洗浄力で、メントールなどの清涼成分が配合されたシャンプーがおすすめです。
敏感肌向け
敏感肌の人は、低刺激で無添加のシャンプーを選ぶことが大切です。香料や着色料、防腐剤などの添加物が含まれているシャンプーは、頭皮への刺激が強いため、避けるべきです。アミノ酸系シャンプーやベビーシャンプーは、洗浄力がマイルドで低刺激なので、敏感肌の人にもおすすめです。
美容師おすすめシャンプー
ここでは、様々な頭皮や髪の悩みに対応できる、美容師おすすめのシャンプーをご紹介します。
美しさを高める力は、あなたのなかにある。その真理のもとに、資生堂プロフェッショナルは、先進のサイエンスで髪と頭皮の内なる力を追究しました。 そしてたどり着いたのは、一人ひとりの髪と頭皮の美しさを生む源泉にアプローチするヘア&スカルプケア 「サブリミック」。プロフェッショナルの手を通してサブリミックと出会うとき髪本来の輝きとあなたの内なる美しさが力強く目覚めます。
これらのシャンプーはあくまで一例です。最終的には、自分の頭皮や髪の状態、そして好みに合わせて選ぶことが大切です。色々なシャンプーを試してみて、自分にぴったりのシャンプーを見つけてください。
まとめ
この記事では、シャンプーを2度する理由やメリット・デメリット、正しいやり方について解説しました。シャンプーを2度することで、頭皮の汚れやスタイリング剤をより効果的に落とし、健やかな頭皮環境へと導くことができます。結果として、健康な髪の成長を促進し、ヘアカラーやパーマの持ちも良くなるといったメリットが期待できます。しかし、2度洗いは頭皮や髪の乾燥につながる可能性もあるため、自分の頭皮の状態に合わせた適切なシャンプー選びと、正しい方法で行うことが重要です。
1度目のシャンプーでは、頭皮の汚れを落とすことを目的とし、たっぷりの泡で丁寧に洗います。2度目は、よりきめ細かい泡で頭皮をマッサージするように洗い、栄養を届けるイメージで行うのがおすすめです。すすぎ残しがないよう、しっかりと洗い流すことも大切です。
乾燥が気になる場合は、アミノ酸系シャンプーなど低刺激のものを選び、2度洗いを控える、あるいは頭皮ではなく毛先を中心に洗うなどの工夫も有効です。自分に合ったシャンプーと洗い方を見つけることで、美しい髪を育みましょう。この記事が、あなたのヘアケアの参考になれば幸いです。
本記事は、30年以上の豊富な経験を持つ美容師であり、全国にサロンを展開する経営者、高橋正和氏の監修のもと作成されました。
専門知識と実践経験に基づき、正確かつ実用的な情報を提供することを目指しています。
監修 | |
高橋正和(美容師/サロン経営者) |
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